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「うわ、危ねぇ!」
アメリカでの、二人そろってのつまらないイベント仕事の帰り。
いつもどおりグーデリアンの運転でうとうとしかけていたハイネルは、突然の大声と前のめりのGに浅い眠りから引き戻された。

「・・なんだ一体・・」
不機嫌を隠そうともせず、薄く眼を開けたハイネルに、グーデリアンはフロントガラスの向こうを指差した。
「子供飛び出しかけてきたんだよ!」
見ると、スクールバスを降りたところなのだろうか、小さな体に似つかわしくない大きなリュックを背負った少年が、年長の少女にリュックを掴まれてじたばたと暴れている。少女はくるりと少年を自分のほうに向けると母親ぶったしぐさで少年を諌めにかかった。

「・・・それくらい、避けろ。」
「おいおいおい、飛び出しにはまずブレーキだろ?。」
「仮にもレーサーだろう。万が一しくじるようなドライバーはいらん。」
「ひっでぇなぁ。」
子供を横目に、グーデリアンが再び車を発進させる。
ハイネルは携帯電話で時刻を確認するとため息をつきながら眼鏡を外し、目元とともにハンカチで軽く拭った。

「バスが止まったなーと思ったら、物影から飛び出してきたんだよ。しかし、幼稚園児みたいな子だったなぁ。」
「新学期なんじゃないのか?」
「あー。もう九月か。」

一年中世界を走り回っている身となってからは、季節の移ろいにはとんと疎くなってしまった。
路面温度には気を配っていても、仕事が終われば苦手な暑い・寒いを避けて世界各地にある好きなねぐらに帰ればいいだけなのだから。
ただ時々実家から届く愚痴も含んだ賑やかなメールを開ける度に、夏の逃げ場のない暑さやむんむんとした干草のにおいが恋しくなるグーデリアンであった。

「新学期っていうと、あーまた勉強かーってちょっとブルーにならなかったか?。」
「別に。」
「あ、お前は勉強できるから学校楽しかったクチか。」
「そうでもないが・・むしろ、学校に行くとほっとしたな。」
「なんで?」
「家にいると、父が手配した家庭教師が次々やってきては勉強だ教養だと忙しかったから。」
「げー。じゃあサマーキャンプとか、家族でフロリダへバカンス!とかなかったわけ?」
「ない。たまには祖父が視察や自分の趣味のついでに連れ出してくれることはあったが。」
「ひでぇなぁ。うちですらたまには農場頼んで遊びに行ったぜ?」
「父もなんとか他の兄弟に負けないようにと必死だった頃だから、仕方ないな。母もフランスで仕事があったし・・。」

まだ中途半端な眠気が残っているのか、ごそごそとカバンを探り、ハイネルはガムを取り出して口に投げ込んだ。食べるか?という仕草に、グーデリアンもただ首を横に振って辞退の意を伝える。
フロントガラスの外には夏の名残のある、しんとした日差しが降り注いでいる。
コーティングの崩れるシャリシャリという音が、エンジン音の上に妙にクリアにのって聞こえた。


--------

自分の恋人が、やや歪な存在だと気付いたのはいつだったのか。

「お兄ちゃんは、イレギュラーなのよ。」

誕生日のプレゼントと称して一日デートに付き合わされたグーデリアンは、緑と黄色の二枚のスカートをあわせつつ、真剣に鏡の前で選んでいるリサの突然の呟きに一瞬、オンナノコ向けの笑顔を取り落としそうになった。

そりゃそうだろう、会社社長の息子なんだし、と言ったグーデリアンに対し、リサは今度はさらにオレンジ色のスカートをあてながら首を振った。
「この世界でも、お兄ちゃんはイレギュラー。跡継ぎってのは多少なりとも、人当たりがよくて庶民派気取ってても実は自信満々で計算高くて、常に自分がいかに有利に立つか考えてるって人が多いわけ。まぁ、自分のほかにも色々背負って立つわけだから、そういう風に親が育てるってのもあるけれど。もしくは、その能力のないボンクラ。大体二分してそんなもんね。」
まさしく、ファストファッションなのだから両方買ってもたいしたことはないのに50ドル以下の服を真剣に選んでいるかと思えば、EUの内情やらについてもずばりと核心を突く、典型的な上流階級の才媛はさらりと言ってのける。

「なんていうか、自分ってものがない、のかな。」
自分の好きなことに関しては、妥協はない。たとえば車とかレースとか。
ただし、それ以外のことについては極めて適当で、自分自身の体調すら二の次で。
「お父さんの無茶振りなんかもさ、適当に流しておけばいいのに。」
かなり理不尽な無理難題を吹っかけても、フランツ・ハイネルは異を唱えることもなくただ淡々と仕事を片付けていく。
言うなれば御しやすく体裁のよい高性能なロボットで、これほど自分の傘下に組み入れたいと思う人材もないだろう。
だから、親戚内では彼を自分の味方につけようと、社長ゲオルグ・ハイネルの目を掠めては各派閥がフランツ・ハイネルを水面下で奪い合う事態が起きていた。

その点については、グーデリアン自身にも思い当たる節がある。
レースでは闘志むき出しで些細なことでも張り合ってくるくせに、欠点を指摘してやれば素直に認める。
どう考えてもおかしいだろうといういたずらも、疑うことなくあっさりとひっかかる。
数ある婚約者候補のうちの一人と寝てこいと言われれば女も抱いてくるようだし、過去に同性の上級生に求められるまま深い関係を持ち、トラブルを起こしたりもしている。
何より、ライバルのはずの自分が契約をたてに体を求めるという卑劣な行為に出た時ですら、軽く目を伏せただけで応じたのだから。

「ま、とりあえずは押したモン勝ちってことよね。後はどれだけ自分に興味を持たせ続けるか。難しいゲームじゃないわ。グーデリアンさん、がんばってね。」
にっこりと笑って、リサは黄色のスカートと白いカーディガン、インナーの紺のブラウスをグーデリアンに手渡した。情報料ということなのだろう。したたかなリサの上目遣いにグーデリアンは苦笑すると、キャッシャーへ向かって歩き始めた。


---------
がんばって、と言ったリサの顔を思い出しつつ、グーデリアンは助手席のハイネルをちらりと見やった。
眠いのか時折、ガムを噛みながらも目を閉じかけている。しかし目的地は既に近く、寝させてやる時間はないだろう。だからといって、いわゆる「外向き」の仮面をかぶっていない今、むき出しの神経を不用意に刺激して勘気をこうむるのは避けたかった。

-まぁ、子供の駄々と思えば可愛げもあるんだけど、甘いもんじゃ釣れないしなぁ・・子供の好きそうなもん・・つってもそもそも子供らしい事なんてしたことあるのかこいつ・・・あ。

「そうだ。ハイネル、ゲームとかしたことあるか?」
「・・あまりやらないし、うまくはないな。」
「それはもったいねぇなぁ。人生の大部分を損してるぜ。」
グーデリアンは大層大げさにうんうんと頷き、ぼんやりと答えるハイネルに、ポケットから出した自分のゲーム機端末を渡した。
「やってみろよ。単純なゲームだけど眠気覚ましになるぜ。明日まで貸してやるから。」
「ふーん・・・」
ハイネルは電源を入れると、無言で指を走らせ始めた。

---------

「あーーやられた!」
翌日、チームと合流したサーキットでグーデリアンは端末を開いた瞬間、大声で叫んだ。
「くっそぅ!ハイネルにやられた!」
近くのスタッフが何事かと近寄ってくる。
「どうしたんだよジャッキー。お前がなんかやらかした、ならわかるけど?」
怪訝な顔で返すスタッフに、グーデリアンが端末をぶんぶんと振った。

「ゲームだよ!アイドルモンスター!!」
「あー、グラフィックかわいいよな。」
「だろ?世界観とかぶっちゃけツギハギご都合主義だけけど、いいよな?」
色々と突っ込みどころはあるが、要するにパズルを解いたりリズムゲームをしながらアイドルと段々仲良くなっていくライトな暇つぶしゲームである。その手軽さと男性のツボを抑えたグラフィック、そして間口は広いがやりこむとなかなかに深く、つい課金させてしまう絶妙な難易度の高さが若者の間で話題となり、シリーズ展開する作品となっていた。
「二次元で萌えてるんじゃねぇよ、世紀の色男がw」
茶化すスタッフに、グーデリアンは画面を突きつける。
「これは別腹なんだよ!すげぇ楽しみでダウンロードしたのに、なのに、ハイネルに貸したら一晩でこんなん!」

画面の中には少女が頬を染めて、もじもじとこちらを見ていた。背景には花が舞っている。その仕草は明らかに恋する乙女のものだった。
「おー、すげ。無課金でこんなに好感度あがったの初めて見た。」
「俺全然遊んでないんだぜ?!一晩だぜ?なんでここまでやり尽くすんだよ!」
「さすが監督だよな。」
「冗談じゃねぇ!。俺、初期のツンツン冷たいのが好みなのに!あのそっけない態度がいいのに!!」
「さすが、リアルでもてる男は違うねぇ。」
何気に自分の性癖を暴露したエースドライバーに、スタッフは肩をすくめた。


「いい加減にせんか。作業の邪魔をするなジャッキー。」
悔しさを全身で表現していたグーデリアンに、遂に横で見ていたチーフエンジニアから声が入った。
「チーフ!でも、ひどくねぇ?!ほぼプロのテクニックだぜ?あいつゲームとか下手だっていうから暇つぶしに貸したのに!」
グーデリアンの抗議に、チーフが怪訝な顔をした。
「フランツがゲーム下手ぁ?なんの間違いだ。」
「へ?」
「フランツがチェスやらカードで負けたのなんて、見たことないぞ。」
少年だったハイネルを、その父である現社長から半ばだまされた形で押し付けられたチーフはかれこれ10年の付き合いになるはずだった。
「だって、あいつ自分で下手だって言ってたぜ?」
口を尖らせて食い下がるグーデリアンに、チーフが続ける。
「まぁ、本人はおじい様や7つも年下の子供にも勝てなかったと言っていたけどな。」
「おじい様って・・」
「先代社長だな。戦略王と呼ばれた。今思うに子供ってのは多分、あのオーストリアの天才少年だ。」
「・・・それ、勝ったらニュースになるやつじゃーん・・」
グーデリアンはがっくりと肩を落とした。


-俺の恋人は本当にもう、歪で。

「チーフから聞いたんだが、ゲームをクリアするとまずかったのか?」
その夜、遅くにホテルに戻ってきたハイネルはスーツを脱ぎながらベッドに転がり、ゲームをしているグーデリアンに声をかけた。
「んー、びっくりしたけどな、大丈夫。」
端末を放り投げ、グーデリアンは勢いよく飛び起きると恋人の傍らに行った。
嵩の薄い体を抱き込み、顎に指をかけて少しだけ上を向かせる。
「ん・・・・」
女の子達と違い、唇を奪われてもハイネルはほとんど目を閉じない。グーデリアンが視線を合わせると、透明な緑色の瞳はいつもどこか遠くを見ている。
「お詫びは、この続きってことで。」
ハイネルの視線がちらりと仕事鞄のほうへ向いたがかまわず、そのままベッドカバーの上に倒れこみ、腕の中に囲ってしまう。
「・・シャワーを浴びたい。」
「後でな。」
懇願を拒絶し強引に首筋に噛み跡を残せば、体から抵抗する力は抜け、手足を絡めてくる。

これは、グーデリアンが与える快楽を期待して体が反応しているだけなのか、それとも。
覗き込んだ無機質な緑色が答えを出してはくれないのを知りつつ、グーデリアンはそれでもゆっくりと肌に所有の証を刻み込んでいった。


-歪な心も素直な体も、全部まとめて愛してやるよ。

俺の可愛い自動人形。


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-それから数ヶ月。
もうすぐシーズンが始まる頃となった頃になると、グーデリアンの蛮行はますます回数が増えていた。
さすがにイベントやレース前に手を出してくることはなかったが、突如深夜に押しかけてきては
無尽蔵な性欲に朝まで翻弄されることも多く、ハイネルの精神的・肉体的な疲労は極限に達していた。

眼前を走り抜ける金色の車体が火花を散らす。ドイツのテストコースで、ハイネルはマシンの最終調整にはいっていた。
「安定してきましたね。」
「悪くはないな。グーデリアンの分に関しては。」
投入二年目の車体もこなれてきて、昨シーズンでは対応しきれなかったプログラミングのホールに関しても今期は問題なく処理できている。
「・・しかし、車体に関しては早急に改善型を検討したほうがいいかもしれませんね。他社の動きが思ったよりも激しくなってきたようです。」
「わかっている。策はある。」
あることはあるのだが、最近の荒れた生活のせいで集中力が持続できていない。先日などは空港でうっかり捕まったインタビューアーの質問に対し、聞き返すことすらあった。
-・・こうなるのは覚悟の上だろう、フランツ・ハイネル?。
ため息混じりにデータを検討するハイネルの携帯電話が鳴った。
「・・・・ハイネルだ・・・今、テスト中なんだが・・何?」
ハイネルは電話を片手にコース上の金色の車体をちらりと見ると、うなずいた。
「・・わかった・・行く。」
携帯をぱたんと折りたたむと、ハイネルはスタッフに声をかけ、オフィスへ立ち去った。


「ハイネル、どうしたの?途中からいなくなっただろ?」
「よくわかりますね。」
マシンから降りながら、ヘルメットを脱ぐグーデリアンにスタッフが飲み物とタオルを渡す。
ドライバーにとって必要な資質の一つが、動体視力だ。実際にマシンを動かす反射神経・周回に耐えうる体力などはもちろんだが、戦況を的確に判断するためには動体視力はかかせない。恐ろしいスピードで視野が狭まる中、最近ではシステムからの補助があるとはいえ、どれだけの情報を瞬時に得られるかという点においてはグーデリアンは恐ろしく野生的ともいえる勘をもっていた。
「急用?」
「急な来客のようですよ。」
「へぇ。あいつが中断?珍しいね。」
グーデリアンの中で、何かがひっかかった。


「お待たせしました。」
「急で悪いな。」
ハイネルは自分のオフィスで来客と対面した。
入るなり、浅黒いほどに焼けた肌と白金髪の若い男ががっちりとハイネルを抱きしめる。
「少しやせたか?飯食ってるか?こないだのインタビューでなんだか疲れているように見えて、心配になってな。」
「そうですか?・・気をつけます。」
笑いながら、向かいのソファに腰を下ろす。
「お会いできてうれしいです、トニオ。」
ハイネルの顔にほっとした笑みが浮かんだ。

「背は伸びたが、相変わらず細っこいなお前は。」
「からかわないでください。」
「中年太りとか言われるよりマシだろ?」
話が盛り上がり始めた頃、こんこんとドアをノックする音が聞こえた。
「失礼。コーヒーが届いたようです。」
ハイネルが立ち上がり、ドアへ向かう。ドアを開けると、そこにはコーヒーの盆を持ったグーデリアンが立っていた。
「・・お前・・」
目を見開いたハイネルを押しのけるように、レーシングスーツ姿のグーデリアンが室内に入る。
「ちょうどそこでエリーゼちゃんに会ってね。大事なスポンサー様にご挨拶をと思ってさぁ。」
陽気な口調で盆をテーブルに置き、トニオの前に立つ。
「こんにちは、えーと、あんたがトニオさん?」
「やぁ。会ってみたかったよ、ジャッキー・グーデリアン。」
立ち上がったトニオが片手を差し出すのを、グーデリアンは唇に薄ら笑いを浮かべたまま、強く払いのけた。
「なぁ、あんた、ハイネルとどういう関係なんだ?こいつ、うわ言でよくあんたの名前呼んでてね。強情で、俺がベッドでどれだけ聞いても絶対教えてくれないわけ。」
「やめないか、グーデリアン!」
割って入ろうとしたハイネルの静止を軽く手でいなし、トニオは肩をすくめた。
「さぁなぁ。頭の黄色いヒヨコ君にはまだ刺激的なんじゃないかなぁ。」
トニオが挑発の台詞を言い終わる前に、グーデリアンの右腕が空を切った。しかしトニオは紙一重でそれをさらりと交わし、瞬く間に腕をねじり上げながらグーデリアンの巨体を床に縫い付けた。
「いい体格はしてるんだが、ツメは荒いな。こっちは代々荒っぽい船乗り相手の商売なんでね。」
「トニオ、乱暴な真似は・・」
「わかっている。大事なドライバーなんだろ?」
怪我をさせるつもりはないというように、トニオはすぐにグーデリアンの上から去った。身を起こしたグーデリアンを見下ろし、トニオが言う。
「俺が誰で、フランツがどう説明しようと気にはしねぇが・・・フランツに何かしでかしてみろ、シチリアの海に叩っこんでやるからな!」
その顔には先ほどまでの笑い皺の目立つ美丈夫ぶりはなく、裏家業にも精通した人間の暗さと凄みが滲み出ていた。力量をまざまざと見せ付けられたグーデリアンは立ち上がることすら忘れ、床に座りこんだまま、ただ眺めるしかなかった。

「さてと。騒がせて悪かったな、フランツ。帰るわ。」
くるりとハイネルのほうを向いたトニオは、先ほどの形相からは打って変わってもとの明るい笑みに戻っていた。
「あの・・色々と失礼を・・。」
頭を下げるハイネルの髪をぽんぽんとトニオが叩く。
「最初っから、お前の顔見たかっただけだからな。元気ならそれでいい。」
「はい。」
「それとな、・・・・・」
頷くハイネルの耳に、何やら母国語で囁いた。
目を丸くするハイネルににやっと笑いかけ、トニオはドアから出て行った。


「・・で、あいつ結局何もん?」
「・・・・・・・・・・・・・・」
やっと床から立ち上がり、ソファに座ったグーデリアンは憮然として腕を組んだ。
「なぁ・・俺問答無用でここまでボコボコにされたんだぜ。そろそろ教えてくれていいんじゃね?」
「最初に吹っかけたのはお前だろう。」
向かいに腰をかけ、ハイネルはため息をついた。騒ぎですっかり忘れ去られていたコーヒーを軽くかき混ぜると一口含み、一言ずつ語りはじめた。
「彼は・・その・・高等学校の先輩だった。」

-12歳になったハイネルは、良家の子息が集う全寮制の学校に入学した。
そこでは各家で何不自由なく育てられた子息が共同生活をすることで協調性や統率力を身につけることをモットーとしていた。また、卒業生同士が大きなネットワークをもち、そこに入って優秀な成績を収めることはその後の人生に大きな影響を及ぼしていた。

そこではフランツ・ハイネルは、裕福ではあったが大富豪や王族、財閥の子息といった中ではたかが自動車会社の、それも跡継ぎとして確定していない三男の息子というどちらかといえば重要視されないタイプの生徒だった。
別に彼自身は父譲りの質素でシンプルな生活に慣れていたし、静かで古めかしい図書館で好きなだけ本が読めればそれだけで幸せだと感じていたが、中にはそこにつけこんで明らかに見下す生徒や、妙なアプローチをかけてくるものもいた。

その学校では一人の新入生に対し、指導係の生徒が一人つく慣習がある。そこでハイネルの指導係に選ばれたのがトニオだった。
トニオの実家はイタリアで古くから海運業を営む会社だった。地中海の風をいっぱいに受けて育った彼は自由奔放で豪放磊落という言葉こそがぴったりで、勉強嫌いだが妙に頭が切れて時に教師ですら持て余す存在だった。そんなトニオに対し、いわゆる優等生でほうっておいても何の問題のないハイネルをあてたのには学校側の思惑があったのかもしれない。
しかし、家庭環境など似たところの多い異端児同士は妙に気が合った。理系教科の得意なハイネルに対し、地理や語学、意外にも文学や芸術にまで精通するトニオはハイネルを休日ごとに美術館や博物館に連れ出し、作者の生い立ちから時代背景から詳しくわかりやすく説明しては興味をもたせた。トニオからすれば、感情を不器用にしか表せないハイネルが可愛かったのかもしれない。また、ハイネルから見れば、トニオの傍はぶしつけな視線やわずらわしい雑音からある程度遠ざかることができる、安息の地だった。

そんな居心地の良さが、いつの間にか友情以上の信頼関係を二人に抱かせてしまっていた。
肉体関係があったわけではないが、自然と体を寄せ合い、笑いあいながら一冊の本を読む。そっと物陰で唇を重ねることすらあった。
敵が多かったのも不幸だったのかもしれない。そのうちに、どこからともなく二人の関係が周囲に尾鰭をつけて知れ渡り、大きな問題となってしまった。

不名誉な噂が学校中に広がり、さすがに学校側も見過ごすわけにもいかない事態となった時、ハイネルは背筋が凍る思いだった。名門校での不祥事やドロップアウトはネットワークを通じて今後の将来、ひいては親の事業にまで大きな傷をもたらす。ハイネルは迂闊だった自分を悔い、食事も喉を通らず眠れない日々が続き、遂に倒れてしまった。
その間にトニオは自分がハイネルに無理に関係を迫ったと言い張り、ハイネルに反論や弁明の機会を与える暇もなく自主退学をしてしまったのだ。
もちろんそれを知ったハイネルは激しく学校に抗議したが、事情を察した一部の教師達により押しとどめられ、表向きにはトニオの名誉は回復されることはなかった。


「・・私は、結局、彼の将来を台無しにしたんだ。」
すっかり冷めたコーヒーを片手にハイネルは薄く微笑んだ。
「好きだったのか。」
「よくわからない・・・彼といるのは楽しかっ・・た・・いや、違うな。ひどい言い方で言えば、楽、だったのかもしれない。彼は危なっかしくて放っておけないからと言って、何かと世話を焼いてくれたから。」
「ひどいなお前。」
「あぁ。せめて心から彼が好きだったと言えれば、彼は少しは救われたはずなんだ。なのに私は多分、愛するという行為がよくわからない。」
苦い言葉を飲み込むハイネルを、グーデリアンはじっと見つめる。
「でも、あいつは今でもお前のこと、好きなんだろ?」
「好きもなにも・・彼も私もゲイじゃない。彼はその後実家を継ぎ、既に結婚して子供もいる。ここ数年会ったこともなかったが、先日の囲み取材で私の顔色が悪かったのを見て心配して来たというだけの話だ。」
グーデリアンの心に波風がたった。
性的な関係はともかく、未だにトニオはハイネルがかわいくて仕方ないのがよくわかる。
今だって、たった数分のインタビューから、こいつが苦しんでいるのを妙な本能で嗅ぎつけてきやがる。悔しいが、トニオはそれだけグーデリアンよりもハイネルの心に近い場所にいるということなのだろうか。
「・・じゃあさ、俺はあんたにとって、何?俺の相手をしていたのも、脅されて、流されてってだけなのか?」
「・・・・・・・・・・・・」
ハイネルは黒い液体の表面に浮かぶ波紋を眺め続けた。

確かに、力で拒むことも出来た。助けを求めることも出来た。
適当な理由をつけて社会から抹殺してやることすら自分には容易にできた。
体を差し出すことでドライバーが確保できるならと、自分の中では割り切れているつもりだった。
だが、ハイネルの中で膨らんできた違和感が、それを拒否していた。

「・・私に関わると不幸になる。わたし、は・・お前に、トニオのように人生に傷を残して欲しくない。」
だから、心だけは決して渡さない。
「それってつまり、俺の人生心配する程度には好きってことでOK?」
「・・・」

ハイネルはトニオが最後ににやりと笑いつつ、母国語で残した言葉を思い出していた。
『こいつ、本気だぜ?』
同性に肩を抱かれたことは何度となくある。本気の告白すら、指折って数える程度にはあった。
しかしトニオ以外のどの男も、いや、女も、ハイネルの見た目と頭脳に魅かれたばかりでその中身に触れてくることはなかった。
なのに目の前の男は、ずけずけと自分の奥に踏み込んでこようとする。

「・・グーデリアン。」
「ん?」
「お前は、私が好きなのか?」
突然の質問にグーデリアンは頬杖をついていた肘を落とした。
「お前なぁ!・・・・・・・」
大体、そもそも俺にそこまでさせたのはお前の言動とか色々!と、叫びたい気持ちを飲み込んで。
グーデリアンはため息をつきながら立ち上がり、ハイネルの膝の間に立て膝で割り込んだ。見上げると丁度、ソファに座ったハイネルと目線が合う。その目はまるで親を見失った子供のように頼りなく見えた。
-・・・・・・あーあ。俺もあいつも被害者ってことか。
「本当、あいつに同情するよ・・。」
ぼそっと呟かれた言葉にハイネルが小首をかしげる。その頬に指を添え、グーデリアンははっきりと言った。
「・・愛してる。」
「信じて、いいのか?」
「まぁ、俺はひどいことをしたから、信じてもらえないだろうけどなぁ・・・」
予想以上の返答に苦笑するグーデリアンに、ハイネルは続けた。
「・・繰り返すが、私には多分、人を愛するという気持ちがわからない。それでもいいのか?」
「・・俺がゆっくり教えてやるよ。今までの分も、今からの分もな。」
ティーンのように、頬にぎこちないキスをする。白いハイネルの肌に、はじめて薄く紅がさした。

-そして、恋はやっと始まった。

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「ふ・・・」
「よう。本当に、髭とか生えないのな、お前。」
頬に指を這わせる感触でハイネルは浅い眠りから揺り戻された。

「社長令息ってのも大変だよな。いつも小奇麗なフリしてさ。誰に見せるつもりなんだか。」
思春期に入っての早々の永久脱毛によって、髪と眉と睫以外の毛はきれいに処理されている磁器のような肌を節くれだった太い指が降りてくる。ヨーロッパでは珍しいことではないが、普段触られることのない部分を撫で回す感触に思わず肌が粟立つ。
「んー、ここはいつもどおりだな。俺じゃ感じないわけ?」
からかう口調で顔を覗き込むグーデリアンからハイネルは視線を逸らした。まだ体の奥がじんじんと痛む。昨夜も明け方までいいように扱われ、やっと開放されたばかりだというのにもう次が始まるのだろうかと肩を強張らせたハイネルから、グーデリアンは意外にもさらりと身を離した。
「ま、それはまた後で聞くからいいや。飯来てるから食おう。俺、腹減った。」
起き上がったグーデリアンはさっさとドアを開けて出ていく。ハイネルは重い体を起こすと、打ち捨ててあったガウンを体にまとわせて後を追った。

-二年目。移籍の条件は端的だった。
「金額はどうでもいいよ。俺、お前が抱きたいんだいよね。セフレってやつ?」
それに対してハイネルがなぜ、とかどうして、と問いかけることはなかった。脊髄反射のみで生きているこの男には無駄だとハイネルは直感的に感じたからだ。
やりたいことをやる。抱いてみたいから抱く。それだけだろう。
自分の身一つでなんとかなるものならば安いものだと、ハイネルは指定されたハワイのホテルに契約書を持って訪れた。

「お前、なんか胃に入れないとそろそろやばいぜ。」
一人がけのラタンチェアに沈みこみ、冷たい水だけをやっと口に運んでいるハイネルの前で、シャワーから出てきたグーデリアンはバスローブ姿のままエビを次々と口に放り込んでいた。律儀に3度3度届く色とりどりで贅を凝らした南国風のルームサービスは、一人分はほとんど手つかずで返されていた。
「これ、うまいよ。」
グーデリアンは極彩色のジェリーを選び、ハイネルの口元に運んだ。が、青ざめた口元は固く結ばれたままだった。
大きなガラス張りのテラスから続くプールには、切り取られた空が浮かんでいた。ハイネルはちらりとデスクに放り出されたままの契約書に目をやった。ハイネルが到着した際、グーデリアンはプールから上がるなり契約書をデスクの上に広げておくよう指差し、スーツ姿のままのハイネルに口での奉仕をさせた。その時のままだ。

「まぁ、腹減ったら適当につまんどけよ。俺、今日は出かけるけどお前どうする?」
「・・・休ませて、もらいたい。」
「そ、じゃサブのほうの寝室は入らないように言っとく。」
フルーツのたくさんのったパンケーキを大口に押し込むと、グーデリアンはクローゼットに向かって歩き去った。それを見届けるとハイネルはシャワールームへとふらつく足を運んだ。


どこからともなく甘ったるい果物の香りが混じるねっとりとした空気の中を、グーデリアンは何をするともなく雑多なダウンタウンを歩いていた。
ラフな服装と伸びかけた不精髭にサングラス、身にまとう不機嫌な空気のせいで彼が有名なレーサーだと気づくものは誰もいないのがいっそ気楽だった。

-発端は、何気ない寝言だった。
一年目の夏頃。いつもの大喧嘩の後、ハイネルがテスト中に軽い熱中症を起こして倒れたと聞き、グーデリアンは医務室へと駆けつけた。幸いにも症状は軽く、点滴を打ちながら涼しい場所で安静にすれば問題ないという話だったが、なんとなくの罪悪感からか、グーデリアンはハイネルが目を覚ますまで付き添いを申し出たのだった。
「ん・・」
一時間ほどして意識が覚醒してきたのか、ハイネルの体がうっすらと身じろぎをした。
「お、大丈夫か?」
「・・ト・・ニオ。駄目だ・・行かないで・・」
覗き込んで声をかけたグーデリアンの耳に、聞いたことのない名前が飛び込んできた。ラボの関係者ではない名前。そして、その呼び方は今までになく甘く切ない響きを含んでいた。
「ハイネル・・どうした?」
あわててハイネルの腕をつかみ、揺さ振る。ハイネルの表情が苦しげにゆがんだ。
「・・トニオ?」
涙でけぶる眼を薄く開け、かすれた声で囁いたハイネルが見せた表情はグーデリアンを震撼させた。しかしその表情は相手がグーデリアンであるとわかると途端にこわばり、きょろきょろとあたりを見回した。
「私は・・・あぁ、倒れたのか。すまない。」
額の髪をかきあげ、上体を起こすハイネルはいつも通りの表情に戻っていた。
「・・お前、うわ言でトニオって呼んでたぜ。誰?」
グーデリアンの問いかけに、ナースコールを探していたハイネルの手が一瞬止まったが、すぐにいつものそっけない口調で返された。
「昔の友達だ。看護婦を呼ぶからお前は帰ってくれ。」
「ふぅん・・」
グーデリアンはなぜか、それ以上聞き出すことはできなかった。

それから数ヶ月。そんな事件は波乱に満ちた一年目のせいでほぼ忘れ去っていたのに、ハイネルの下宿に度々訪れるようになってから、なぜかあの名前と表情が気になって仕方ない。
自分が無理を言えばハイネルは反射的に反発するが、結局は諦めたような表情を浮かべて渋々受け入れる。一度などは事故のフラッシュバックに耐え切れず、ハイネルのその身を抱きしめて眠ったことすらあったが、それでもハイネルは受け入れた。
-まさか、こういうのに慣れているんじゃ・・
半同居生活の中でも性的な香りはまったく感じさせないが、そう考えると距離のとり方などに疑問を感じる部分も多い気がする。
グーデリアンの中で湧き出した小さな暗雲は、空を覆う真っ黒な嵐へと姿を変えていった。


サブベッドルームの閉めたカーテンの隙間から、明るい光がもれている。ハイネルはぼんやりと動かない頭と体とをベッドに横たえていた。かすかに音がするのは食事の片付けとメインベッドルームのクリーニング作業だろうか。水が飲みたいが、チェストへ手を伸ばすことすら辛い。
また夜が来れば手荒く扱われるのだからせめて体を休めておきたいと思うのだが、痛む体と極度の倦怠感がそれさえ許してくれない。
口での奉仕から始まり、連夜の蹂躙。時々連れ込まれるバスルームでは、体の中まで洗われて。
次第に人間としての尊厳を削ぎとられそうになる気がして、ハイネルは自分の手の甲を歯型がつくまで噛み締めた。


「・・う?」
やっとうとうととしかけた頃、瞼の裏が急に明るくなった。ハイネルがうっすらと目を開けると、体を閉じられないように自分の手足が拘束されていることに気がついた。
「ただいまぁ。」
横から聞こえてきた能天気な声の主はベッドのふちに腰かけ、大きなアイスクリームのカップを抱きかかえていた。
「食えよ。」
目の前に差し出されたスプーンを、恐ろしく喉が渇いていたハイネルは思わず口を開け、受け入れた。喉の奥に冷たい刺激が通り抜け、糖分が弱った体にじわりと染み渡る。それが数度繰り返された。
「よくできました。」
グーデリアンは満足げに笑いながらハイネルの唇にこぼれたクリームをなめとる。真意がわからず戸惑うハイネルの体の間に、グーデリアンは自分の大きな体を押し込んだ。
「じゃ、本番いこうか。」
笑顔の中で蒼い眼が冷たい光を放っていた。


「ぁ・・あ・・」
グーデリアンの動きに沿って、拘束された手足の鎖がピンと張る。
先ほどのアイスクリームの中には一種の薬が入っていた。市販薬の簡単なカクテルだが、習慣性はないが一時的に体が弛緩し、感覚が鋭敏になる。裏の世界ではよく使われる軽い薬だ。それまで悲鳴しかあげてこなかった喉が、敏感な部分に触れられるとひくりと動く。そこを奇妙な形の玩具で、グーデリアン自身で、様々な方法で開拓されていく。
しかしグーデリアンはそれでもハイネルを解放させてはくれず、体の芯が熱く重い感覚に支配されていた。

「やっぱり、トニオじゃなきゃイケないわけ?」
体をシーツに縫い付けたまま、耳元で囁かれ、ハイネルの体がびくりとすくんだ。
「トニオって誰だよ・・なぁ、教えてくれたら楽にしてやるよ?」
まだ後ろの感覚に慣れない体を容赦なく責め立てられる。
既に声も出せないハイネルがきつく目を閉じてかぶりを振ると、グーデリアンの動きが強くなった。
「あんたも強情だね。それとも、もっといいことされたい?」
胸板合わせに抱き合い、唇を噛みしめるハイネルの中に奥深く自身を埋め込んで突き上げると、白い喉が空気を求めるように上下する。首に手をかけて顔を寄せさせ、唇に舌を差し入れるとハイネルの舌がぎこちなく応えてくる。
「・・ふっ・・うぁ・・・」
内臓の奥を突き上げられる苦痛にたえきれず、唇の隙間から吐息が零れ落ちる。
きつく閉じた目尻から一滴の雫が流れたのを見て、グーデリアンの頭の中はさらに凍てついていった。
「そこまでナイショにしたい関係って、気になるよなぁ。」
「あ・・ぁ!」
自分の腰の上に抱き上げると、さらに結合が深くなる。既にハイネルは息をすることすらままならず、苦痛を与える相手の胸に体を預け、突き上げられは喘ぐばかりだ。その姿をアイスブルーの瞳が冷たく観察していた。

突如、寝室にけたたましい電子音が鳴り響いた。グーデリアンはハイネルを膝の上に抱かえたまま、長い腕でチェストに放り出していた携帯電話を取りあげた。
「なんだよ~、いいとこだってのに。」
いまだ体内を差し抜く凶器に圧迫されつつも、動きがなくなったことで少し楽になったハイネルは少し体の力を抜き、乱れる息を整えた。漏れる音から、相手はグーデリアンのエージェントかと思われた。
「えー、俺?今ハワイ。まだバカンス残ってんだけど。え・・まぁ、そうだけど。わかったよ。終わったら連絡する。」
不機嫌に電話を枕元に放り投げたグーデリアンは、体をつなげたまま無言でハイネルの腕の拘束を解き、体をベッドに押し倒した。
「自分でやってみな。」
しびれかけた手をつかみ、ハイネル自身の上へあてがう。まるで扱いを知らない子供のように長い指がぎこちなく己を慰めはじめるのにあわせ、グーデリアンは再び動き始めた。
「あ・・ぁっ・・」
ポイントを後から責められながらの行為に、今まで感じたことのない感覚がハイネルの背筋を駆けのぼった。
「っ、すっげぇ締まる・・そう、その感覚だ。」
「は・・ぁっ・・」
開放される寸前で腕をつかまれ、再び後ろだけの感覚に戻される。しかし一度覚えた体は収まらず、登り詰めたハイネルの中で何かが弾けた。
「いや・・っ!」
頭が真っ白になり、ひくりと体が痙攣する。グーデリアンが動きを止めてやると、潤んだ緑の目が呆然と天井を見上げていた。
「やっと覚えた。」
グーデリアンはにんまりと笑い、今度は自分を開放するために再び動き始めた。

「もうちょっと楽しんでいたいんだけどな、そろそろ休暇はおしまいなんだ。」
節くれだった指が、汗で湿った茶色い髪を撫で上げる。
あれから体位を変え、グーデリアンは数度己の精を放った。一度感覚を覚えたハイネルの体は持ち主の意図に反して敏感に反応し、グーデリアンを喜ばせた。
「ま、どうせ来季も一緒のツアーなんだから、いくらでも時間はあるよな。今度はどうして欲しいか、考えといてよ。」
乱れたベッドに横たわるハイネルには既に、グーデリアンがサインした書類を受け取る力すら残ってはいなかった。

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