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「またおかしげなプロジェクトを・・」
ディレクタールームでメーラーを開いたハイネルは、画面に向かって苦々しくつぶやいた。

「どしたのよ~」
二人分の昼食を片手に、もう片手に水のボトル2本をぶら下げたグーデリアンは部屋に入ってくるなり、ハイネルの眉間の皺の深さに苦笑した。
「・・本社から、各部署および関連会社で各自なんらかの経費削減のプランを立てろということだ。」
「あー、無駄な電気は消しましょう、とか?」
「本社の方で、どうやらなんらかのブームが起きているらしい。こんな事を考えるのはどうせロベルト伯父なんだろうが。」
「えーと、二男で小心者のほう?」
「そうだ。私に次々と婚約者を薦めてくるほうだ。」
ハイネルの父には二人の兄がいる。
二人を押しのけて社長となった父は表向きは二人を尊重する立場を崩さないが、祖父似で豪放で家業に興味の薄かった長兄はともかく、実力は今一つであるくせに人一倍野心は強く、隙あらば権力を奪おうと仕掛けてくる次兄にはハイネルは警戒心を抱いていた。
「よくもまぁ、色々なタイプ揃えてくるよなー。可愛い系大人系、年上年下・・」
従兄弟の中での実力差が明確になった現在、フランツ・ハイネルが時期社長に収まるのは致し方ないとして、せめて自分の息のかかった伴侶を送りこむことで自身の権力を増大させようという目論見が親族一同の中で渦巻いていた。

「せっかく紹介されてもお前、名前すら覚えてないだろ。」
グーデリアンは打ち合わせ用のテーブルに腰をおろし、ランチボックスを開けてみる。今日のボックスはマスタードソースのローストポーク、パスタ添え。付け合わせはズッキーニのピカタと浅漬けのザワークラウト。
「何件同時進行をしていると思っているんだ。プロフィールを確認するだけで大変なのだぞ。誰が誰かなんて覚えていられるか。フォルダはせいぜい、「背が高い」「背が低い」「ほどほど」程度だ。」
テーブルの向かいにハイネルが腰を下ろす。
「・・うっわ、ヒドイやつ。」
にやにや笑うグーデリアンから水を受け取り、一口口をつけてからハイネルはフォークをとった。
「先日、冗談半分で当分女性は間にあっていますと言ってみたら、最近は秘書にしろと男を送りこんでくるんだぞ。どこで見つけるのか美形で仕事もできる、性格もよくできた男ばかり。」
「ぶっ。」
「まぁ、大抵は金を掴まされただけだから、婚約者達や女性社員の相手をさせておくと勝手にくっついていくんだが。」
「・・何、人の色恋取りもってんだよ。」
「中には女性には本当に目もくれず、やたらと距離を詰めてこちらをじっと見つめてくるのもいるんだぞ。」
「へー。そいつはどうしたの。」
「語学が得意だとか言っていたから、タイ工場立ち上げに送りこんだ。」
「・・・ますますサイテーだな、お前。」
「使える人材は役立てないとな。」
さらりとかわし、ハイネルは上品にパスタを口に運びはじめた。

「だいたい、うちの経費に無駄なものなどないんだ。こんなものに時間を費やすのがまず無駄といいたいところなんだが、一応何か対策を立てておかないとまたおかしな方向に走るから・・」
「んー・・じゃ、オレのツアー中の部屋、おまえと一緒ってのはどう?」
「はぁ?」
「他のスタッフ、2-3人ずつ同部屋なんだし。オレの分とってもらっててもほとんど使わないでしょー。どうせ家帰ったら一緒だし。」
「・・・たしかにそうだが・・」
寄ると触るとケンカする、なのにいつも寄って触っているのだからもういい加減そのへんは認めてしまってもいいのだが、いざそうなると自分の体が休まらない気がするのだが。ハイネルは少し考え、ふと唇に指をあてた。
「・・・そうか、その手があったか。」
「ん?同室採用?」
「・・もっと効果的で、いい手があるじゃないか。」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
ハイネルが口角を上げて妖艶な笑みを浮かべる時は、大抵が過激なことかろくでもないことを考えている時だ。長い付き合いでそのあたりもそろそろ悟ったグーデリアンはこれ以上深入りすることはやめ、そそくさと昼食を食べ終えた。


数日後、親族のみのランチミーティングの席で、伯父たちが自慢の削減案を色々と提示していくのをハイネルは末席から静かに聞いていた。
「では、フランツ君はどうだろう。優秀な君のことだから、さぞや素晴らしい削減案があるんだろう。」
したり顔で水を向けられたハイネルは、タブレットの資料をめくる手をとめるとにっこりとほほ笑んだ。
「ドライバーの経費を、そうですね、半額程度にはできそうな案は一つありますが。」
年間100万ユーロ単位という巨大な削減策をさらりと口にした若造に、会議室はどよめいた。
「フランツ君、正気か?」
「一体どうやって?」
気色ばむ親族たちを前に、フランツ・ハイネルは笑みを浮かべながら説明を続けた。
「皆さん、私が社員の枠を超えた額はもらってはいないのはご存じでしょう。まぁ、代わりにチームが巨額の運営費をいただいているのでなんら異存はありませんが。」
「確かに、まだ実績も少ない若いチームであるシュトルムツェンダーがなんとかやっていけるのは、君の技術のなせる技ではあるが・・あくまでも、君が身内だからできる技であって水平展開は難しいだろう?」
「たしかにそうですね。では、ジャッキー・グーデリアンも身内にしてしまえばいいのではないでしょうかね。」

会議室内に再びどよめきが起こった。ハイネルは笑顔のまま続ける。
「身内にしてしまえば間で暴利をむさぼるプロモーターを介することもなくなりますし、経営に引き入れて懐具合を知ってしまえば、莫大な金額を要求されることもなくなるでしょう。」
「確かにそうだが・・一体どうやって?」
長兄のクラウス伯父が面白そうに聞く。次兄は予想外の展開に、色白な顔をさらに蒼白にして口をぱくぱくさせていた。
「どなたかのご令嬢と結婚させてみるとか。養子にするのも一案ですね。」
世界の種馬を身内に入れる。その可能性と危険性に、居合わせた人間すべてが戦慄いた。
「ロベルトのところの娘、そろそろ結婚できる年齢じゃ・・」
「ま、まさか!あの子は素行がいまいちで!!大伯父のところにたしか妙齢の・・」
「わ、私の娘はもう心に決めた相手が・・」
「そ、そうですな、こういうのは本人同士が好きあっているのが一番で、ははははは。」
「生憎・・親戚内には彼に釣り合うような女性は・・」
「あぁそうか、女性に限ったことはないですね。同性婚も認められましたね。」
しれっと爆弾を投下するフランツ・ハイネルに、今度は独身の息子を持つ親族がびくりと縮こまる。
「もっとも、見ている限り彼はゲイではなさそうですが。・・あー、私なら落とせるかもしれませんね。やってみましょうか?年間100万ユーロ単位は大きいですね。」
普段は極めて真面目で堅物なはずの男が、父親譲りの魔性の笑みを浮かべながら言ってのけたその言葉に、親族一同が遂にフリーズした。

-誰か・・この場をどうにかしてくれ・・

皆の救いを求める目が集中した先には、現社長ゲオルグ・ハイネルが腕を組んで座っていた。金縁眼鏡の下から、淡い茶色の目が金色に光る。ゲオルグ・ハイネルは一言、ぽつりとつぶやいた。
「フランツ・・・冗談はやめてくれ。株価が下がる。」
「失礼しました、お父さん。」
いつも余裕の笑みを絶やさないゲオルグ・ハイネルが絞り出した地獄の底から響くような声に、小首を傾げて申し訳なさそうなそぶりを見せるフランツ・ハイネル以外のすべての人間がさらに固まった。


-その後の経営会議ではフランツ・ハイネルが出したこの削減案に、果たして痛烈な皮肉ととっていいものかはたまた本気なのか誰も結論を出す事ができず、うっかり蒸し返そうモノならばゲオルグ・ハイネルの金色の目に刺し殺されるような視線を向けられる。
結局、経費削減案ごと「踏み込んではいけない事例」だとしてうやむやに処理される結果となった。

「・・ほんとお前、サイテーだけどサイコー!」
後ほどハイネルから一部始終を聞いたグーデリアンは、涙目になるまで笑いこけたのだった。

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その日、シュトルムツェンダーのラボは思いがけない珍客に湧いていた。

「ハロー、野郎ども、元気ぃ?」
「おーっ!なんだジャッキー、生きてたのかよ!」
「生憎、しぶとさには定評があるんだぜ。」
「とっくに彼女に刺されたんじゃなかったのか!?」
「2-3回は刺されかけたかなぁ。」
「手癖悪くて俳優クビになって、またレーサーでも始めるつもりか?」
「もうやだね。今はきっついトレーニングなしで、美女に囲まれて暮らせるんだぜ?そんな生活、誰が引退するかよ。」
「本っ当に相変わらず男の敵だなお前!」
カフェテリアの真ん中でひときわ目立つ小麦色に焼けた大男は、あちこちから飛んでくるパンチやラリアットにぼこぼこにされながら目尻に深い笑い皺を刻んだ。

「じゃ、俺ハイネルのとこ行ってくるわ。」
「行ってなかったのかよ。まずそこ行けよ。」
「ハイネルさんさっき、ディレクタールームに見えましたよ。」
「喧嘩すんなよー!」
「キスするなよー!」
「そろそろ刺されてこいよー!」
「・・って、いい加減にしろよお前らぁ!」
笑いながら見まわすスタッフは半分ほどが入れ替わっているらしい。知った顔は容赦なくいじり倒してくるが、遠巻きに見守るスタッフの中には知らない顔がちらほら見える。その中にグーデリアンは、ふと気になる面影を見た。
「・・・んなわけないか。」
再びグーデリアンは笑顔を作り、コーヒーを二つ持って何度往復したかわからない長く明るい廊下を歩きだした。

40歳間近になって本格的に忙しくなってきた本社業務のため、ハイネルはスーパーバイザーを退任してデザイナーとテクニカルディレクター業務のみに絞っていた。
部屋に入ると何やら携帯電話で話をしていたが、グーデリアンの姿を見ると唇に人差し指を当てて見せてから、おもむろにスピーカー設定に切り替えた。
途端にスピーカーからよく知ったキンキン声が聞こえてきて、グーデリアンは思わず笑みを浮かべた。

「ちょっとお兄ちゃん!リサがちょっとピアノヘタだからって、『フランツ・ハイネルのほうがうまかったな。ハイネル家の娘なら革命とか普通に弾けるのかと思ってた。』とか言うのよあいつ!ショパンもリストもさらっさら弾けるお兄ちゃんと一緒にしないで欲しいわ!」
「あいつのことだから、悪気はないと思うが。」
「わかってるからタチが悪いのよ!」
「まぁ、私とリサでは手の大きさが違うから。」
「でしょ!?ショパンもリストも男じゃない!?」
「しかし、お前はもう少し真面目に練習をしていれば、ピアノ教師もあそこまで心を痛めることもなかったと思うぞ。」
「う・・・。」
「とりあえず。私がちょっと考えたらどうかというのをお互い無視して突っ走ったのだから、3か月は我慢しなさい。」
「えーっ!」
「来客が来たから切るぞ。」
「もぉーっ!」

最後になにやら叫ぶ声を無視して通話を切ったハイネルは、苦笑しながらグーデリアンのほうを向いた。
「・・2日に1回はこんな感じだ。」
「若いねぇ。」
ハイネルにコーヒーを一つ手渡し、グーデリアンはデスクの端に腰かけてもう一つのコーヒーをすする。
「まさか、リサちゃんとランドルが結婚するとは思わなかった。」
「まぁ、年も近いし、世間から見れば家柄的にも順当と思われているようだが。」
「ランドル、スゴウのアスカちゃんといい、もしかしてあぁいう、ハネッかえりの強いタイプが好みなのか?」
「さぁ。」
見目も麗しい二人の結婚は現代のプリンスとプリンセスと取り上げられ、盛大な結婚式が行われた。しかし既にシュトロブラムス社内で地位を確立していたリサ・ハイネルは結婚後もその立場を変えることなく仕事を続け、公共の場ではランドル家次期当主の嫁ではなくハイネル家の一員として参加していた。

「昨日は、ランドルからはリサの素行について長電話がきた。まさかハイネル家の子女がカウチでポテトチップス片手に寝転がっているとは思わなかったんだと。」
「はっはー。で、あんたなんて言ったの。」
「納品時に一応、難ありだと伝えておいたからな。今さら返品不可だと言っておいた。今朝は父からランドル家の資産管理のいい加減さについてクレームメールがきた。いい加減、喧嘩に私を仲介するのはやめてほしいんだが。」
「ランドル家を乗っ取るつもりなのかね、リサちゃんは。」
「ガンガン子供産んで、一番優秀な子をシュトロブラムスの跡継ぎにするとか息巻いている。目指せマリア・テレジアだと。」
「それまでもつのかねぇ。世紀のカップルスピード離婚の裏に潜む経済界の闇!とか。」
いかにもありそうなゴシップ誌の破局見出しが眼に浮かび、グーデリアンは喉で笑った。

「そういやシュトルムツェンダー、今度の新型いい感じだったよな。初見2位って、成績としてはまずまずじゃない?」
「少々口惜しい。来年はもう少し改良して一番上を獲るぞ。」
やや眉をしかめ、ハイネルは一番上の引き出しを開け、中からシナモン味のティービスケットを一つかみとりだした。机の上に盛り上げ、一つは手にとってフィルムを開き、口に運ぶ。
「ふふーん。俺が乗ってやろうか?」
「その見てくればかりの筋肉でどうするというのだ。」
「だって俺、やっと近未来ヒーローものの撮影がクランクアップしたばかりだもん。すげぇよ、俺の車、今度は空を飛ぶんだぜ。」

30歳を超えて面白そうだからと出たハリウッド映画で好評を得た勢いで、グーデリアンは意外にもあっさりとサイバーフォーミュラを引退し、かねてより好きだった映画の俳優として銀幕デビューを果たしていた。
『俺は、ヒーローでなくっちゃいけない宿命なの。』
サーキットから銀幕へ、場所は変わっても常に世界の中心で輝く男はそう言って笑った。

「非科学的だな。」
「言うなって。世界のヒーロー、ジャッキー・グーデリアーーーン!だぜ?」
「それよりは、以前の、別れた妻から押し付けられた子供を葛藤しながら育てていく父の役のほうがよかった。」
「あー、あれね。やつれた感じ出すのに、ダイエット厳しかったんだぜ?」
ビスケットを一つ取り、グーデリアンも口に放り込む。シナモンの香りと、ややぱさつく懐かしい味が広がり、苦いコーヒーと補い合って繊細な風味が生まれる。
「それが出来るならなぜレーサー時代にやっておかない。」
「いやまぁ、それが出来てたら苦労しないっていうか、もしかして、案外見てくれてる、俺の映画?」
「たまたまだ。」

シーズン半ば、グーデリアンからレーサー引退を切りだされた時、ハイネルは引きとめも賛成もしなかった。ただ、自分が引退する際にそうされたように、静かに相手の選択を受け止めた。
そうと決めたグーデリアンの行動は早かった。
それまで自身が表彰台に登ることばかりに重きを置いていた男がそれまでの経験値を駆使し、徹底的にルイザのサポートに回った。その姿にチームオーダーが疑われたが、囲み取材には本人もチームも、あいつが勝手にやっていることだからと笑い飛ばして。

その結果、ルイザは女性初のワールドチャンプに輝き、グーデリアンはそのシーズンの最終戦をしれっと表彰台の一番上で迎え、長かったレーサーとしての人生を終えた。
最初はついにアメリカの星失墜かと騒いでいた世間は、あまりにも出来過ぎたシナリオに喝采を送らざるを得なかった。
ルイザ自身は、「グーデリアンじゃなくても勝てるマシンが作りたかったって言われちゃ悔しいんだけど」と苦笑しつつ、「でもさ、グーデリアンが最後に監督に結果を残してあげたかったんだから、そこはのっかっとかなきゃ女がすたるわよねぇ。」と、左右から祝福のキスを受けながら艶やかにほほ笑んだのだった。

「で、いつまでこっちにいるんだ?」
「1か月くらいかなぁ。時々は取材とか番宣あるからNYへ帰るけどね。」
「そうか。」
「久々にハイネルの手料理食べたいな。ミートボールの入った豆の煮込み。」
「あぁ、今日は早く帰れるから、材料だけ揃えておいてくれるか?あと、新酒がそろそろ出ている。」
「いいよ。」
ハイネルの顔から眼鏡を外し、机越しに軽くキスをする。
薄く目を細めたその表情に、グーデリアンはやはりさっきカフェで見た気になる面影と重なる気がした。
「あ、そうだ。スタッフかなり変わってんだな。」
「そうだな。お前がやめて3年目だからな」
「なんか若い子でお前によく似た子いたぜ。親戚とか?」
眼鏡を取り返し、ウェスで拭いていたハイネルは一瞬動きが止まった。
「・・それはもしかして、金髪で茶色の眼の?」
「そうそう。」
「・・・・・・・・・・・・まぁ、家で話す。」
再び眼鏡をかけて、ハイネルはグーデリアンに向かい、しっしっと追いやる仕草を見せた。

----------------------------つづくかな

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-朝は、どうしても食欲がわかない。

何か胃に入れておかなければと思うほど食欲をなくす自分の軟弱な精神にため息をつきつつ、フランツ・ハイネルはこっそりとピット内の冷蔵庫にサンドイッチを放り込んだ。

食品に好き嫌いはないほうではあるが、サーキットで出される食事は脂っこかったり塩辛かったりと、どうも彼の口には合わないことが多かった。
しかしアスリートとしてはそんなことでパフォーマンスを落とすことは耐えられない。デザインならともかく、何も自分で走ることはないだろうと頑なな父をやっとのことで説得し、やっとのことで殴りこんだCFの世界である。最初は正直デザインのためのステップ程度にしか思ってなかったのも事実であるが、最近ではこの荒っぽい世界がハイネル自身、意外にも気にいっていた。

なのにそこで出てきた食事の問題。しかしそれだけのために断念するにはあまりにも口惜しい。そこで最近では朝、自分好みのサンドイッチなどの軽食を作っては冷蔵庫に入れておき、ちょいちょいとつまんでは血糖値とテンションを維持するのがハイネルの常となっていた。
幸いにも今月はドイツGP。いつもならハムとチーズと野菜程度で作るサンドイッチも、実家のコックが転戦ばかりの彼の体を心配してもたせてくれた食材が豊富なのが嬉しくて、ハイネルはややふわふわとした足取りでピットを後にした。

しばらくして、隣のピットからずかずかとスタンピードのジャッキー・グーデリアンが現れた。
タイヤの用意をしていたSGMのメカニックの一人に声をかける。
「あちー・・チャーリー、お前んとこ、冷えたドクターペッパーないー?」
「あるぜ。そこの冷蔵庫に俺の分が入ってるから飲んでいいよ。ってか、お前余所んちのピットにずかずか入ってくんなよ。」
「昔カートで遊んだお前と俺の中じゃないのー、堅いこというなって。」
「・・あのなぁ普通、セッティングとか色々余所には秘密ってやつもあるんだぜ?」
「いや、見ててもどうせ俺バカだからわかんねぇし。自分とこでも何やってんのかさっぱわかんねぇし。」
「ま、そういやそうか。」
どこのピットでも、それでうまいこと納得されてしまうのがこの野郎の妙な魅力だとメカニックは思う。
いわば、レーサーというよりはサーキットのマスコットキャラ的な位置づけなのだろうか。
ふらふらとあちこちを渡り歩き、目につく女性に手当たり次第すり寄って、よしよしされてくんくんと鳴く。気に入った相手には野郎にでも懐く。走っている時以外はただの大型犬扱いだ。
それでいて、走らせると途端に猛獣に豹変する。カートカテゴリー時代、グーデリアンが後から追い上げてきた際の恐怖をメカニックは思い出した。あの冷たく光る薄い色の目は捕えた獲物を逃がさない。追い抜きざまに首元を一気に抉られるような感覚に襲われ、メカニックはその後のレース展開をまったく思い出せなかった。
これが世界のカテゴリーで戦う種類の人間というやつなのかと、その時彼は実感した。
ただ、普段は誰彼かまわず尻尾を振るやっぱり他愛ない大型犬で、なぜか懐にずかずか踏み込んでくるのを許してしまうのだった。

「俺の分、上段に入ってるから。」
「サンキュ・・・・・・・・お?」
グーデリアンがシャツの胸元をぱたぱたしながら冷蔵庫を開けると、中には、スタッフそれぞれの名前が書かれたドリンクの他に、そっけないジップロックで包まれたサンドイッチを見つけた。
「うまそ・・・・」
途端に胃が鳴り、他人のもののはずなのにあまりにみずみずしくておいしそうで、グーデリアンは思わず名前を確認することもなくジップロックに手を出してしまった。

最初は一つだけと思ったのが、どれもこれも捨てがたく。
味気ないラップで包んであるくせに、どれも繊細で複雑な味がする。
ケチャップじゃなくてきちんとトマトソースのハンバーグサンドとか。
いい香りのする薄切りのハムとたまねぎのピクルスとか。
見るからに瑞々しいきゅうりとトマトと、牛乳の風味のするチーズとか。
アーモンド入りのバタークリームは程よく甘くて香ばしい。

次々と現れる宝物を前に、自制の効かなくなったグーデリアンがすっかり平らげてしまったころ、体を動かして適度に空腹になったハイネルが戻ってきた。
「あ。私のサンドイッチ!」
グーデリアンの手の中のジップロックを指さし、思わず叫ぶ。
「これお前の? つい、うまそうな匂いがしてさー。ごめん!飯おごるから!」
「結構だ!ラップの下からかぎ分けるなんて、オマエは麻薬探知犬か!」
「俺、犬扱いかよ?!」
横ではらはらしながら聞いていたチャーリーが思わず噴き出す。
「でもさ、あれ、どこのサンドイッチ?ホテル?ケータリング?すっげーうまい!」
レース三昧で新鮮な味に餓えていたのはグーデリアンも同じだったらしい。眼をきらきらさせてすがるように詰め寄る蒼い眼に、ハイネルはとっさに叫んでしまった。
「んな・・・・さ、差し入れだ!知り合いからの!」
「・・え?」
意外な返答に、グーデリアンは眼を丸くした。
レーサーがレース前にうかつな差し入れを食べるわけはない。おまけにこいつは潔癖で有名なフランツ・ハイネルだ。ということは、知り合いは知り合いでも・・・。すっかり空になったジップロックをちら見して、グーデリアンは口の端を上げた。
「・・・・お前、意外にきちんとやることやってんのな。」
「は?」
「彼女はボンキュッボンだけど、結婚とかするならやっぱ料理上手だよなぁ。うんうん。」
「え?」
一体なんのことだろうと首をかしげるハイネルの肩を、グーデリアンがぽんぽんと叩く。
「いい選択だと思うぜ。こういう飾りっけのない料理センスの子ってなかなかいねぇよなぁ。俺、こういう差し入れされたら即落ちるわ。大事にしてやれよ?」
なんだか誤解が甚だしく違う方向に走っている気がするのは気のせいだろうか。
うんうんとうなずきながら去って行ったグーデリアンを見送り、ハイネルが助けを求めるように向けた視線を、チャーリーは首を振って『可哀想な子だから』のジェスチャーをした。

--そして数年後

「あの後、こっそりチャーリーにお前の手作りみたいだって聞いてびっくりしたんだよな俺・・。」
「まったく、意地汚い。」
「いやまぁ・・胃袋のセンスが合うって、大事じゃねぇ?」
「知らん。時間がないんだ。邪魔をするな。」
端末画面から顔も上げず、レーシングスーツ姿のハイネルは差しだされたサンドイッチをおざなりにつまみあげた。
自分でチームを運営するようになってチームの食生活は改善したものの、そこまで食べに行く時間もなく結局何かをつまみながらデータを確認したりセッティングを直したりする日々だった。
「・・ん?」
ライ麦入りのパンを薄く切り、具材はたっぷりのクレソンと焼いた上質なベーコンと、マスタードだけ。
いつものケータリングのサンドイッチの味とは違う、大胆だが素直な味にハイネルの手が一瞬止まる。
「料理上手な彼女、今度は逃がすなよ?」
「・・・ふん。」
にっと笑うグーデリアンを一瞬だけじろりと睨みつけ、ハイネルはサンドイッチを口に押し込んだ。

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その日、大変珍しいことに、グーデリアンは朝から機嫌が悪かった。

-喉いてぇ・・・
グーデリアンはモーターホームのソファで天井の模様を数えながら、自分の喉に手をやった。
昨日、上掛けを蹴っ飛ばして寝てしまったのが原因なのだろうか、喉が妙にいがらっぽい。
大したことはないが、午後には予選があるというのに飯はうまくないし、女の子に声をかけることすら億劫でいつもの調子がまったく出てこない。

-なんかのど飴とかねぇかな・・・そういや、ハイネルがいつも持ってたっけ。あいつ喉弱いから。
グーデリアンはもそもそと立ち上がると、ピットに向かって歩き出した。

「おーい、ハイネルーぅ。ごほっ。」
埃っぽく、揮発性の高いオイルの匂いが充満するピットの空気は今の喉には刺激が強すぎる。
せき込みながら声をかけると、スタッフと何事か打ち合わせをしていたハイネルが顔を上げた。まだレーシングスーツには着替えず、長い導電性ユニフォームのままグーデリアンを見上げる。口元で動く何かを舌で横に押しやって、ハイネルは声を出した。
「喉はもういいのか?」
「んー。あんまり。お前いつものど飴持ってただろ。ちょーだい。」
「あぁ。ちょっと待て。」
ハイネルはユニフォームのポケットに手を差し入れた。
高電圧、高磁界の危険の多い作業のために開発されたこのユニフォームは、工業ファブリックの技術者であるハイネルの母が開発して寄こしたものである。その安全性は確かに群を抜いていたが、空調の効いたラボでの開発段階ではともかく、実際のピットではあまりに色々めんどくさいという非常に現実的な理由により、現在では「ポケットが多くて便利」という、妙な利点を見出したハイネルしか着ていないという代物であった。
「ん?・・・ないな。」
ハイネルが首をかしげた。その合間にあちこちのポケットからペンや工具、端末、携帯電話、薄い財布からハンカチまであらゆる生活用品をぞろぞろと引き出していく。
-・・・ウエイトトレーニングかよ
グーデリアンが心の中でツッコミを入れていると、ようやく、ハイネルが再び顔を上げた。
「すまん、私がなめているので最後だったみたいだ。今荷物から出すから待ってろ。」
自分の口元を指さし、ころころと転がしてみせる。肉の薄い頬の下でなにかが動くのを、グーデリアンは確認した。

「とりあえず、それでいい。」
「え?」
ぽかんとしたハイネルの顎をつかんで上げさせ、唇を合わせる。すかさず厚い舌を入れ、ハイネルの舌の上で転がっていた飴玉をかすめ取るとグーデリアンは体を離した。
「ごちそーさん。」
「・・・な・・返せ!」
正気に返ったハイネルがすごい早さで椅子を蹴飛ばしてグーデリアンにつかみかかった。グーデリアンはひらしと交わし、ピットの外へ走り出す。
「なんだよけーち。ほかにあるんだろ?」
「今持っているのは最後のひとつだったんだ!バカ者!」
ハイネルがユニフォームの裾を勢いよく蹴り上げ、グーデリアンを追いかけていった。

身体能力の優れた大男二人が勢いよく駆け抜けていく姿を見ながら、一部始終を見ていたスタッフ一同はようやく口を開いた。
「・・・・・・・・・・嵐が去った・・。」
「・・いや、今からが本番だろ?ほんとに誰だよシュトルムツェンダーとか名前つけたやつ。」
「気圧の低いほうと高いほうがいる限り無理だろ。」
「誰ウマ・・」
「・・あれで、本人たちは真剣に何事もないとか思ってんだから重症だよなぁ・・。」
「無意識だもんなぁ。」
「返せって。そこは色々違うよなぁ・・」
うんうんとうなずきながら、スタッフ一同は二人が走りつかれて帰ってくるまでしばし休憩と散っていった。

当人たちはまったくその気はないくせに、必要以上に寄って触っていくのはなぜなのか。
巷では公式ホームページが一番いちゃいちゃしていると評判で、これ以上変な噂を流したくない広報とアクセス数とグッズ売り上げを稼ぎたい経理の間で不毛な戦いが繰り広げられているのは知っているのだろうか。

発電して帯電して感電して放電して。
超電導リニアホイールのエネルギー源たちは今日もあまりにもいつもどおりだった。

-------------
帯電放電の続き。

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珍しく二人して予定のない休日。
ソファで寝転がって雑誌を見ながら、グーデリアンはハイネルの身支度を待っていた。
遅い朝食で始まった今日は、今から二人で買いだしをして遅めの昼食をとる予定だ。もちろんハイネルの手料理で。

「・・待たせた。」
頭の上から声が聞こえて。グーデリアンはソファから起き上がると、思わずハイネルの姿を上から下まで眺めまわした。
「・・えーと・・ヴォーグごっこ?」
「じろじろ見るな。母が何組か送ってよこしたんだ。知り合いのコーディネーターが私のファンだとかなんだとか。」
ハイネルがため息交じりに、日焼け防止用にの茶色のハンチングを被る。
濃い茶色のクロップドパンツに、白とライムグリーンのランダムボーダーのポートネックシャツ。ベージュ色のジャケットは薄手のジャージ生地で体のラインをきれいに見せている。足元には茶色い革のスニーカーを履き、斜めがけにしているのはおそろいのボディバッグ。くるぶしの見える靴下からはグリーンの差し色が見えていた。
「・・こういう服は実家のランドリーに任せても扱いに困ると嫌がられるんだが、今生憎と手持ちがフォーマルなスーツばかりで。」
それでも仕上げに眼鏡をかけるのが、かえって軽くなりがちな服装に適度に辛さが効いてより彼らしさが引きたてられる。
「へー。そのままグラビア撮影できるぜ?」
「そういうのは私の仕事の範囲外だ。」
あちこちのメディアに出没し、芸能人扱いをされることも多いグーデリアンに対し、同じチームのレーサーでありながらハイネルの出没頻度はせいぜいがオフィシャルポスターかカレンダー程度だった。
「お前の写真ただでさえレアアイテム扱いされてるんだから、ヌードとか出したらもう運営資金もがっぽがっぽ・・」
「馬鹿か。」
「いて。」
ごつんと重い拳骨を頭頂部に食らい、グーデリアンはソファから転がり落ちた。

早いばかりで積載力のない2シーターを少し走らせて着いたのは、町の市場だった。
目立つ車は駐車場に置いて、ちょっと歩いて歴史を感じる細い小道へ行く。
既に昼も近く、あちらこちらではもう店じまいする店も出始めているが、代わりに屋台やカフェから漂ういい香りが小腹の空いた客を引き寄せていた。

すこし減った人ごみを避けながら、二人は次々と食材を選んだ。
ワイン、牛乳、ジュース、オリーブオイル、ジャガイモ、玉ねぎ、酢、オレンジと洋ナシ、肉数種類とハム・ソーセージ、オリーブやパテの瓶詰、瓶入りのバター・・・
買い出した荷物を、ハイネルは次々と迷うことなくグーデリアンの買い物かごに入れていく。

「・・・・おい、ずるいぞ!重いもん手伝えよ!」
「普段、タブレットより重いものは持ったことがないのでな。」
ひらひらと振る手にはパンとチーズとスパイスと卵。
「じゃあ、いつも俺の横で軽々と自重のベンチプレス上げてるあいつは誰だってんだ。」
「さぁ?」
「こんなん、いつものメイドさんたちに片づけに来るついでに用意してもらえばいいじゃん!」
「ほう、フェミニストが聞いてあきれる。」
「くっそ・・近くまで車でこれば良かった・・・」
「普段、人の車を散々ものが載らないの目立つのなんのとけなしているのはどこの誰だ。トレーニングだと思え。」
つれない返答にはぁーと大きくため息をついたグーデリアンは、ちょうど上げた目の端に小さなカフェがあるのを見つけた。
「あー・・マジちょっと休憩していこうぜ。ここのアップルサイダーうまいんだ。」
「あ?こら!」
「もたもたしてるとクリーム入り揚げパンも注文するぜ?」
「ちょ、ちょっと待て!何キロカロリーあると思ってるんだ!」
かまわずすたすたと歩いていくグーデリアンの背を、ハイネルはあわてて追いかけた。

席に着くと、グーデリアンは近くの店主と思しき中年男性に手ぶりでメニューを指さし、二つ、とジェスチャーをしてみせた。店主はうんうんとうなずいてキッチンへ入っていく。
その様子を見ていたハイネルがあきれたように呟いた。
「・・どうりできちんとドイツ語を覚えないわけだ。」
「世界どこでも俺、こんな感じよ?」
底抜けに人懐っこい笑顔一つで許されるのは役得なのだろうか。
いつもほぼ同じざっくりとした白いTシャツに洗いざらしジーンズでにやにや笑っているだけなのに、グーデリアンには常に光が付きまとう。自分にはない生物的な輝きに、ハイネルは心がちくりと傷んだ。

ほどなくしてジュースが運ばれてきた。
店主が、ハイネルに何か言葉をかける。
一瞬驚いた風をしたハイネルがにやりと笑い、ちらりとグーデリアンのほうを向いて一言二言ドイツ語で何かを店主に説明している。
あまりないその仕草に、グーデリアンが思わず身を乗り出した。

「何、俺の話?サインくれとか?」
「その外国人の兄ちゃんは昼にちょくちょく来てくれるけど、仕事はあるのかい?だと」
「へ?、俺アメリカじゃスーパーマンより有名だぜ?。」
「その腕っ節ならいい仕事をしそうだから、仕事がなかったらうちの農場で働かないか、だと。」
「俺が?」
意外な申し出にグーデリアンが驚くのを、店主はうんうんとうなずきながら何かを続ける。
ハイネルがついに噴き出し、笑いながら言葉をつなげた。
「ついでに、彼女はいるか?とのことだ。彼には3人、年頃の可愛い娘もいるんだと。」
「ちょっともう、冗談きついぜハイネルー?残念だけど、おじさんのまん前に怖い怖い彼女がいるって言っといて。」
「誰が彼女だ。」
とりあえず彼女の一件はさておき、ハイネルが店主に説明をすると、店主は残念そうに首をすくめ、笑いながら何かを呟いて去って行った。

「何、私が彼女ですって言ってくれたわけ?」
「馬鹿か。こいつは私の父の会社で働いているアメリカ人だと言ったんだ。そうしたら、首にするときは俺のところに連絡してくれと言われた。よかったな、引退後の就職先ができて。」
「ドイツ人のそのリサイクル気質には敬意を表したいね。」
「完全に出稼ぎ労働者と間違えられたな。いつも、そんな格好でふらふらしているからだ。」
ハイネルは、グーデリアンの白い厚手のシャツを引っ張った。その撚糸の織り方にこだわったシャツもやたらとスタイルのきれいな色あせたジーンズも、スポンサーの有名高級ブランドがグーデリアンモデルとしてわざわざヤレ感を出して作ったものではあったが。
「これ一応、デザイナーもんよ?つか、お前こういうの着ないから、俺が体張ってスポンサー確保してんのに。」
「わかるかバカ者。そのへんのスーパーに積み上がったようなシャツも同じように着ているくせに。」
なのに、お前の体はそんな服も妙に着こなしてしまうんだと、ハイネルは口の中だけで呟く。
モデル体型といえば聞こえはいいが鍛えても外には肉がつきにくい自分の体に対して、この体は上にまとうものなど気にしない強さがある。
まだ日の高い屋外だというのに思わず自分に覆いかぶさってくる際のその筋肉の動きを想像して、ハイネルは体の奥がしくりとうずくのを感じた。

「・・どうした?」
「・・え?」
は、と気付けば、ハイネルに顔を寄せて覗きこむグーデリアンの薄い眼があった。自分の思いを見通すようなその色にハイネルの肩が一瞬ぴくりと反応する。あわてて、ハイネルは自分をいつものトーンに戻して答える。
「・・いや、なんでも。」
「疲れたんだろ。これ飲んだらそろそろ帰ろうぜ。俺も、もう限界。」
「そうだな。」
「・・んで、帰ったら、しよ?」
耳元でぼそっと囁く声に、ハイネルの炎が更に熱くなりかける。
「・・・・お前は・・・」
「さーて。何食わしてくれるのか楽しみだなぁと。」
「こら!」
代金を多めに置き、ハイネルの分の荷物までひょいと肩に担いでしまってさっさと立ち上がったグーデリアンに、ハイネルは少し頬を赤らめながら、慣れないスニーカーで走り出した。

何を着ていても関係ない。
中身がお前なら。

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お互いの体にちりちりと嫉妬とかさせてみたかっただけで。

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